バイリンガルの種類

今回は「バイリンガル」についてです。

なんとなく使っている「バイリンガル」という言葉。

しかし、一言で「バイリンガル」と言っても、内実はさまざまです。

定義によっても異なりますね。

例えば、ブルームフィールドはバイリンガルを「母語話者並に二言語を操れる者」と定義しています。

一方、ホーゲンは「バイリンガリズムの始まりは(複数以上の)完全な、意味のある発話を別の言語で行うことができる地点」としています。ということは、あいさつ程度のことばを2つ3つ知っているだけでも、バイリンガル(の仲間入り)と言っていることになるますね。

研究者によっていろいろな定義、分類法がありますが、今回は言語能力の均衡度に注目してみましょう。

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均衡度による分類

バイリンガルにはいろいろな分類法があるのですが、運用能力の均衡度に注目すると、「均衡バイリンガル」と偏重バイリンガル」という分類があります。

もうひとつ、バイリンガルの一種ですが、「セミリンガル」と言われるものがあります。

これについても見ておきましょう。

均衡バイリンガル

均衡バイリンガルとは、二言語をどちらも同じくらい、しかも高めのレベルで扱えるというものです。

どちらもネイティブといえる運用力、さらには抽象的な思考がその両方の言語で行えるというものです。

ブルームフィールドの言うバイリンガルはこれに当たりますね。

偏重バイリンガル

偏重バイリンガルとは、二言語のうち、片方のレベルが高いバイリンガルです。

このタイプはバイリンガルの中によくあるパターンです。

片方の言語は読み書きや聞いたり話すことだけでなく、考えたり、さらには抽象的な思考もできるのですが、もう片方はそこまで及ばないというものです。

日本で生まれ育ち、日本の教育を受けてきた私達は、日本語の方のレベルが高い偏重バイリンガルです。

セミリンガル

バイリンガルの一種とも言えますが、両方のレベルが低いというものです。

均衡バイリンガルが二つの言語を同じくらい高めのレベルで扱えるというものであるのに対し、セミリンガルとは、二つの言語がどちらも十分ではないというものです。

セミリンガルはダブルリミテッドとも言われます。

どちらの言語でも抽象的な事柄について考えることができなかったり、文法が正確でなかったり、知っている言葉の数が少なかったりするものです。

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どういうバイリンガルを目指すか

均衡バイリンガルはもっとも理想的なバイリンガルのあり方でしょうね。

これに憧れる人は多いのではないでしょうか。

しかし、早期英語教育や長期の成長するまでに長期の海外生活を経験せず、日本で生まれ育った大人は、特殊な例で無い限り、日本語の偏重バイリンガルです。

そして、今から完全な日本語と英語の均衡バイリンガルを目指すのは、現実的ではないかもしれません。

ですが、一つの言語をしっかり操れるのなら(我々の場合、日本語)、母語で培われた思考力でもって第二外国語を習得することは可能です。

(もちろん習得の速度や達成度は個人によって異なります)

あらためて考えてみてください。

  • 英語ができるようになりたい目的は何ですか。
  • まず達成できそうな近い目的は何でしょうか。
  • 今の自分をどのように活かすか。

いかがでしょうか。

これらに答えていくことで、おのずと自分が目指すべきバイリンガルのかたちが見えてくるのではないでしょうか。

日本語がしっかり操れる自分、日本の文化の中で育ってきた自分を活かしつつ、今の自分のレベルアップをはかっていきましょう。

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